新年あけましておめでとうございます。
皆様におかれましては、お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

 しょうけい館(戦傷病者史料館)は、開館より13年目を迎えることとなります。皆様の暖かいご支援、ご協力を賜りながら事業を進めてこられました事を、心より厚く御礼申し上げます。

 しょうけい館では、昨年3月~5月に春の企画展「戦傷をのり越えて描いた日々~水木しげる・上田毅八郎の軌跡~」を開催しました。漫画家・妖怪研究家として広く知られている水木しげる(本名 武良茂)とプラモデルの箱絵が代表作である海洋船舶画家の上田毅八郎の戦争体験を知ることのできる資料に加え、寄贈された作品の中でも、特に注目されるものを紹介しました。夏の企画展は「戦傷病者の労苦(いたみ)のそばで‐“白衣の天使”と呼ばれた従軍看護婦たち‐」として、元従軍看護婦の方から寄贈された資料の展示と共に、当時従軍看護婦だった方をお招きして、戦争体験の講話イベントも催しました。
 証言映像では、未収録県のうち、宮城・福井・和歌山・三重・鳥取・山口の収録候補者選定作業を行ってきました。しかし、戦傷病者ご本人がご高齢のため、候補者の選定ができず難航しているのが現状です。今年度は、長崎県傷痍軍人会の協力により長崎県で新たに3名の収録者候補者を推選していただき、12月には事前調査を行いました。29年度内に収録する予定です。
 証言者は100歳を超える方も増え、収録も困難になりつつあります。戦中・戦後の労苦を共に乗り越えてきた方々の収録を、できればご夫妻でお願いしております。しかし、現実には鬼籍に入り、ご本人だけでなく妻、場合によってはご子息にまでご協力をお願いしております。戦傷病者だからこその貴重な体験を、できるだけ多く残していきたいと考えております。

お願い
 戦傷病者とそのご家族の方々のご協力がなければ、証言映像は収録できません。また、残念ながら他界なされた場合は、戦傷病者としての資料(義手・義足・義眼・戦傷病者手帳、古写真など)を処分等される前に、ぜひ当館へご連絡ください。館の資料として保管させていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

 2016年10月より、新しい事業として「戦後世代の語り部育成事業」が3施設(しょうけい館、昭和館、中国帰国者支援交流センター)で始まりました。戦後70年を越え、戦中・戦後を生き、労苦を直接体験された方々が高齢化されたり、お亡くなりになっていく現状において、その労苦体験を後世に継承することを目的として戦後世代の「語り部」を育成する事業です。一昨年の一期生15名に加え、昨年には二期生9名の方々に参加頂き、研修を行っております。

 本年も春と夏の企画展・地方展・新着証言映像の公開等を行って参ります。春の企画展のテーマは「目となり手となり足となり~戦傷病者を支えた義眼・義手・義足~」、地方展は高知県(1月11日~1月26日)と長崎県(6月30日~7月8日)にて開催する予定です。このほか証言映像の定期上映・水木しげるさんの常設企画展、寄贈資料の紹介等、戦傷病者の方々に関する情報を提供して参ります。
 なお、こうした活動の一環として、当館では学校や公共施設などへの証言映像(DVD)や展示キットの貸出を行なっております。どうぞご利用ください。

 皆様のご来館をお待ちしております。
<しょうけい館 職員一同>

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2018年