去る3月21日(日)の14時より、春の企画展の関連イベントとして、当館1階シアターにて講演会が開催されました。講師は北海道在住の戦傷病者の武田 豊さん。当日は朝方の荒天から一転、講演の始まる午後からはすっかり晴れ上がる空模様となり、多くの聴衆にも恵まれました。
武田さんは17歳の時に中国で受傷(片眼失明)された戦傷病者です。講演では標記のタイトルで、肉体的・精神的労苦に苦悩した若き日々を中心に、それを救った父親の厳しくも慈愛に満ちた助言を紹介しつつ話は展開しました。
また、ご自身の体験記や証言映像(平成18年収録)には無かったエピソードも含め、戦傷病にまつわる労苦の数々について分り易く語っていただきました。当日は、講演に先立って北海道編の証言映像より、武田さんの「平和の光を見つめて」(約14分)を上映し、講演者を理解する一助としました。
なお、話が弾み予定の1時間を20分ほど超過した講演の終了後には、講師を囲む聴衆の小さな輪が広がり、ひと時の歓談の場が生まれました。

 

〔当館学芸員〕

 

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2010年