第81号、第83号に続き、京都府傷痍軍人会より頂いた資料を紹介します。

 「日本傷痍軍人妻の会結成大会参加」のペナントです。こちらは京都市傷痍軍人妻の会の会旗に取り付けていたもので、毛筆で「日本傷痍軍人会妻の会結成大会参加 昭和三十六年十月十六日 於日本青年館」と書かれ、日本傷痍軍人会の印が捺されています。

 昭和27年11月の日本傷痍軍人会の結成から約9年後の昭和36年10月16日に全国組織「日本傷痍軍人妻の会」が結成されました。
 この全国的な組織が結成される前には胎動期がありました。昭和29年9月に広島県庄原市傷痍軍人妻の会が結成された後、呼応するように全国各地の市郡単位での結成が相次ぎました。そのような中、京都市傷痍軍人妻の会は昭和34年3月に結成、全国的に見ても早い時期での団結でした。京都市傷痍軍人妻の会の活動について、昭和42年に発行された『日本傷痍軍人会拾五年史』には「修養会、白衣募金追放運動、水害見舞金運動などを実施、各地区とも、夫の会の会議や各種会合に努めて出席」とあり、積極的に活動していたことが記載されています。
 長年、日本傷痍軍人会と足並みを揃え共に歩んできた日本傷痍軍人妻の会も平成25年11月、夫の会と同時に解散となりました。京都市傷痍軍人妻の会も解散となり、関係資料は京都府傷痍軍人会より当館へ寄贈して頂きました。貴重な資料をたくさん頂いておりますので、公開に向けて、整理、調査して参ります。

 1階図書コーナーに配架している『戦傷病者等労苦調査事業報告書』や『戦傷病克服体験記録』には妻の会会員による体験記が掲載されています。また、同じく1階の情報検索コーナーでは、証言映像もご覧頂けます。戦傷病者ご本人の労苦と共に、傷痍の夫を支えた奥様方の労苦にもご注目頂きたいと思います。

【小景(しょうけい)第23号】

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2015年