9
館だより
 
前の号へ    

第170号 2018年1月19日号

「戦中・戦後の労苦を伝える戦後世代の語り部育成事業」報告(12月)

 

 2017年12月2日(土)に一期生は「テーマ別証言映像の解説(2)」の研修を行いました。前回の「頭部編」に続いて、今回は「上肢編」として証言映像を上映しながら、解説を行いました。
 その後、戦中に戦闘の中で腕を負傷または切断した方や、戦後にシベリア抑留され、その時の事故で片腕を失った方が感じる労苦の違い等、様々なシチュエーションで腕に傷を負った方が感じる労苦の違いを、円卓形式で議論しました。片腕でも、農業が出来るように作業用の義手に鎌を溶接する等、苦労しつつも工夫して戦後を生きてきた方の感じた労苦や、片腕を失いつつも、義手をつけずに「へき地」教育に生涯を捧げた戦傷病者の思いをどのように語り伝えられるか、全員で意見を出し合いました。
 第二期生の研修は、12月9日(土)に、新宿区の平和祈念展示資料館にて実施しました。平和祈念展示資料館は、兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦を伝える博物館です。まず学芸員の方から展示解説を受け、館内を見学しました。
 学芸員の方からは、語り部の研修生に対して、普段どのように歴史を伝えているか、また分かり易く伝えるにあたって気を付けている点等について話していただけるなど、通常とは異なった貴重な見学となりました。
 展示見学後、館内ビデオシアターでシベリア抑留者の方から体験談をお聞きしました。抑留されるまでの兵士体験、抑留後の収容所での強制労働とその苦労、そこでの仲間との交流、作業のこと、食事のこと、日本に復員された後のことなどを話していただきました。
 最後に学芸員、抑留者の方との質疑応答では、研修生より「何故、兵隊の時は死んでもいいやと思っていたのに、シベリア抑留されたときには、生きて還りたいと思うようになったのか」、「一緒に暮らそうと言ってくれた女医についていかなかったのはなぜか」など活発な質疑があり、抑留者の方は記憶をたどりながら一つ一つにていねいに答えて下さいました。

 


研修風景(一期生)


研修風景(二期生)