最初に「戦地での生活」。ここでは、戦地へ赴いた兵士の日常を伝えます。まずは戦場での日々を克明に記した小型手帳。その日、手帳の持ち主は飛来した砲弾により、多くの戦友を失いました。「我々は思わずもらい泣きした」との記述が、その折の心境を伝えています。次に軍事郵便。幼子にあてたカタカナの手紙、結婚11日目にして出征した夫の思いが込められた妻への一葉、さらには田植え時期の両親を気遣う一葉。いずれも、兵士の留守宅を案じる思いが濃密に凝縮されています。
そして、とりわけ前線の兵士を喜ばせたという慰問袋や日用品としての飯盒と椰子の実製水筒。この水筒は、南方での生活の一端を語っています。また、給水袋と給餌袋。これは、戦地では軍馬が欠かせない存在であったこと、兵士と苦楽を共にしたことを物語っています。 |