今月号では、野戦病院ジオラマと病院船氷川丸について紹介いたします。


野戦病院は、南方で受傷した方々の体験と南方で医療活動に従事した経験を持つ元軍医・元衛生兵の証言に基づき構成しました。

ようやく辿り着いたものの治療の順番を待つ負傷兵。

医療品が欠乏する中、麻酔がないまま手術を行う軍医の緊迫感。
暴れる負傷兵の手足を必死に押さえつける汗だくの衛生兵。
激痛で苦悶の表情を浮かべる負傷兵。

そして、ただ病室に横たわるだけの伝染病患者。
当時の臨場感が伝わってきます。

本国への搬送のコーナーでは、病院船氷川丸の船内での手術・治療の様子を、昭和18年に制作された映像と造形を組み合わせてお伝えしています。
その反対側には、戦争中も国際法で航海の安全を保障されていた病院船氷川丸を模型で再現しています。

白い船体には、緑色の帯、赤十字の大きなマークをつけていました。

夜間は病院船であることを電飾によって明示していたことが御覧いただけます。
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2006年