7月14日(水)より、令和3年度夏の企画展がスタートしました。本展は、戦争によって足に障がいを負い、“立つ”“歩く”という行為を「義足」とともに歩んで来られた5人の戦傷病者のパーソナルヒストリーを見つめるものです。また、義足がどのような経緯で作られ、戦傷病者の足となっていったのか、背景を紹介します。
兵士が足を失うという負傷の原因は、戦闘行為によって銃弾や爆撃が当たるという直接的なものだけでなく、医薬品の不足によって引き起こされる感染症、行軍中の事故や凍傷などもありました。戦争という過酷な体験の中で、足を失ってしまった方が多くいました。身体の治療が終わると、次は社会復帰のためのリハビリが始まります。義足を用いて、立つことから始まり、歩く、そしてその足で生活をし、働く、これらの行為が如何に難しいものであったのか、義足使用者のそれぞれの思いと共に労苦を振り返ります。戦争で身体の一部を失う「喪失」の経験、義足という新しい身体を装着する「出会い」、その後の義足と共に歩んだ人生を見つめます。
展示構成は、①戦争と義足について、②5名の戦傷病者のパーソナルヒストリー、③義足の開発と改良についてです。
使用者の“足”そのものとして、歩き、働いきてきた義足を身近で見て、戦争と平和について考えて頂きたいと思います。
また、本展はホームページでも見ることができます。夏休みの学習や、「おうち時間」にご活用頂ければと思います。