平成30年7月18日(水)から9月9日(日)まで、夏の企画展「『みくにの華』から『日傷月刊』まで~傷痍軍人会の紆余曲折~」を開催いたします。
戦中の労苦を乗り越えた傷痍軍人は、国を護ったという誇りをもって大日本傷痍軍人会(以下、大日傷)で活動しました。終戦を迎えて世の中の価値観が180度転換し、GHQの占領政策が終了した後、日本傷痍軍人会(以下、日傷)が設立されます。大日傷との大きな違いは、戦争による敵味方の垣根を越えて世界歴戦者連盟(WVF)に加盟することにより、世界の戦傷病者との交流が行われたことです。戦争で負傷した戦傷病者ならではの立場だからこそ理解できる共通の労苦があり、それを超えて世界平和を訴えることができます。
戦後73年を経て、戦争そのものが忘れ去られつつありますが、戦中・戦後には戦争体験はじめ戦傷病を負った人々の労苦があります。日傷は晩年、戦傷病者の労苦等の実態調査を行なってきました。これにより、戦傷病者がどのような状況下におかれていたかなどを調査し、それを集大成した体験記『戦傷病者等労苦調査事業報告書』『戦傷病克服体験記録』の製作や、映像に記録したオーラルヒストリー「戦傷病者の労苦を語り継ぐ」(証言映像)の収録を行なってきました。それと同時に、全国の戦傷病者が所蔵している資料を収集して整理し保管・活用し後世に継承するため、しょうけい館(戦傷病者史料館)を設立し、その活動は今も引き継がれています。
傷痍軍人会の歩みについて、軍人として傷病を負いながら、戦中・戦後を経て今日に至る紆余曲折を、大日傷の「みくにの華」、日傷の「日傷月刊」を通して紹介します。