しょうけい館開館より5周年を迎えるにあたって

 新年あけましておめでとうございます。
皆様方におかれましては、お健やかに新年をお迎えのこととお慶びを申し上げます。今年も皆様にとりまして、輝ける充実の一年となりますよう心よりご祈念申し上げます。
しょうけい館(戦傷病者史料館)は、開館以来5周年を迎えることとなります。この間、戦傷病者とそのご家族が体験された戦中・戦後の労苦を後世代に伝えるため、企画展等のイベントを実施し、皆様の暖かいご支援、ご協力を賜り事業をすすめることができました。まずは心より厚く御礼申し上げます。
さて、昨年は3月から5月に春の企画展「あふれる想い、伝える言葉―戦傷病者とその家族が綴る体験記展―」を開催し、戦傷病者の体験記に焦点をあて、そこに記された多様な労苦とその背景を、関連する実物資料や証言映像を交えて紹介致しました。
次に、夏の企画展では、7月から9月までの3ヶ月間で「昭和の夫婦~“戦傷病者の妻”が生きた時代~」を開催致しました。
戦傷病者ご夫婦の結婚式をはじめ戦中・戦後の写真を織り交ぜて、誰もが一番苦しく生きることが精一杯だった「昭和」を生き抜いた戦傷病者とその妻の歩みを、資料と証言映像で紹介を致しました。
特設展示では、昭和36年、戦傷病者と知りながら結婚して、ともに歩んできた漫画家水木しげる(本名:武良茂)さんの妻であり『ゲゲゲの女房』(実業之日本社、平成20年)で有名な武良布枝さんの映像を上映するとともに水木しげるさんの義手を期間限定で展示致しました。
また、関連イベントとして、9月11日に千代田区民ホールで武良布枝さんの証言映像「ゲゲゲの女房・武良布枝さんの人生」上映会と関連トークイベントも開催し、観客も多く盛況でありました。
本年も春の企画展及び夏の企画展等のイベントを実施いたしますが、特に夏の企画展では5周年記念にふさわしい企画を計画しておりますので、「しょうけい館」に御来館いただくよう宜しくお願い申し上げます。


〔当館学芸員〕

定期上映会「戦争を生き抜いて」のご案内

 12月7日(火)から26日(日)までの期間で定期上映会「戦争を生き抜いて」を開催致します。この上映会では、これまでに制作した証言映像の中から「戦争を生き抜いて」と題しまして、負傷するまでの苛酷な戦場体験やその後の社会復帰までの苦労を語る映像を選定し、1階シアターにて上映致します。
 なお、1階の企画展示コーナーでは「武良茂(水木しげる)の人生」を展示致します。
 師走となり忙しい時期となりますが皆様のご来館をお待ちしております。

上映タイトル/所要時間

A【約54分】

生と死に向かい合った2時間(約9分)
多くの人に助けられて(約18分)
伸びきった最前線での受傷(約11分)
小学校を出て先生に(約15分)

B【約50分】

生きる・・・それは死ぬよりつらかった(約9分)
馬とともに戦った戦場(約9分)
二度の撃沈、受傷そして発病・・・(約9分)
人生を変えた一発の銃弾(約9分)
信じあえばこそ、今(約14分)

Related Contents

2011年