日本傷痍軍人会は昭和27年11月に設立された戦傷病者の団体です。長きにわたり、戦傷病者及びその家族の為、また、公共の福祉の為に活動してきましたが、平成25年11月に解散しました。当館は、解散までに日本傷痍軍人会よりたくさんの資料をご寄贈頂きました。現在整理中の資料の中から、今号は日本傷痍軍人会と外国の傷痍軍人会との交流に関する資料を紹介します。
日本傷痍軍人会は黎明期より外国の類似団体(傷痍軍人会や退役軍人会)と交流してきました。『日傷月刊』や『日本傷痍軍人会十五年史』を見ると、世界歴戦者連盟(World Veterans Federation =WVF)のつながりもあり、ドイツ、イタリア、オランダ、フィンランド、ポルトガル、エジプト、トルコ、タイ、インドネシア、フィリピン、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、ブラジル等の国々の団体と交流があった事が判ります。
『日傷月刊』に掲載されているレポートや当時の記録写真を見ると、こうした交流会の際には、それぞれの団体がペナント、記章、楯等の記念品を用意し、それらを交換しています。これから紹介しますのは、外国の団体より日本傷痍軍人会に贈られた記念品です。
VdKは西ドイツの傷痍軍人会にあたる団体。
日本傷痍軍人会に先駆けて活動していたため、白衣募金一掃運動やトロトラスト問題などにおいても意見交換をしていました。
昭和46年に日本傷痍軍人会が韓国を訪問した際のもの。
大韓傷痍軍警会とは頻繁に交流していました。
彫られている文章より日本傷痍軍人会と大韓傷痍軍警会が協力して、援護制度について研究していた事が判ります。
韓国国旗の下のマークは左がWVF、右が大韓傷痍軍警会のものです。
平成8年に「東南アジア3ヶ国親善訪問の旅」として、日本傷痍軍人会会員がタイ、ミャンマー、香港を訪れた際の記念品のひとつ。
日本傷痍軍人会は昭和50年代より世界各地へ親善旅行をしていました。
各地を訪れた会員たちは戦没者慰霊碑に献花をし、関係の団体と交流会を開きました。
日本傷痍軍人会に関する資料はほかにも多数ご寄贈頂いています。今後の館だよりで紹介しますので、ご期待下さい。また、しょうけい館の常設展示では日本傷痍軍人会に関する資料を展示しています。黎明期の写真などもご覧頂けます。また、図書コーナーには日本傷痍軍人会やWVFに関する書籍もございます。是非ご来館の上、ご覧下さい。
【小景(しょうけい)第29号】