テーマ別展示は、7月2日(火)から9月29日(日)まで、「作品に込めた労苦」(前期)をテーマに寄贈資料を展示しています。前期では、短歌と戦争体験画集を展示します。
短歌
戦傷病者やその妻の中には、自身の思いを短歌として残している方が多くいらっしゃいます。怪我や病気による苦しみや葛藤、支え合う夫婦のきずな、戦地に残してきた戦友への思い、できないことが多い中でも見出せた楽しみなど、人生の様々な面で感じてきた思いを三十一音に込めて表現してきました。
展示している短歌は、月ごとに入れ替えをおこなう予定です。
戦争体験画集
この作品を描いた戦傷病者は、1941(昭和16)年に徴兵検査を受けて、上海での訓練を経た後、中国の海南島で海軍の特別陸戦隊に所属、1944(昭和19)年には現地ゲリラとの戦闘に参加し、手榴弾の破片で左腕を受傷する経験をしました。その後病院船「氷川丸」で日本に戻って療養生活を送りました。戦後、自身の体験を残そうと300枚もの記録を画き、画集としてまとめました。
記録画集原画の展示のほか、原画を元にナレーションを付けた動画「戦争で傷ついたある兵士のおはなし」を上映します。この動画は、小学校中学年以上の年齢を対象に、若い世代の方々にも分かりやすく編集したものです。夏休みの課題や平和学習でご覧いただきたく思います。
次回は、令和6年10月1日(火)より12月末まで、「作品に込めた労苦」(後期)をテーマに寄贈資料を展示します。
戦傷病者が制作した作品には、療養、リハビリ中に作ったもの、戦後亡き戦友へ向けた祈りを込めたもの、職業としての作品など、さまざまなものがあります。それらの中から、実物資料を展示します。
テーマ別展示は、年4回の展示替えを予定しています。開催日程、テーマはホームページの「館だより」にてご案内しています。