2019年から開始した次世代の語り部による講話活動は、今年で5年目を迎えました。団体見学や、派遣講話、毎月第2日曜日に開催する定期講話会など、これまで多くの方に対して戦傷病者が体験したさまざまな労苦を語り続け、平和の大切さを伝えてきました。さらに多くの方に語り部講話を聞いていただくために、来館者が興味関心を持ちやすくなるような講話会を実施しています。
今回は、2024年に実施した主な講話会の内容についてご紹介します。
7月の定期講話会
歌人の佐佐木頼綱さんと歌手の神戸薫子さんをお迎えして、戦争で失明した元兵士について紹介する講話会を実施しました。佐佐木さんと神戸さんは、戦争で失明した元兵士たちが詠んだ短歌に曲をつけた「戦盲歌」を今に伝える活動をしています。戦盲歌の解説を佐佐木さんにしていただき、歌唱を神戸さんに披露いただきました。
語り部による講話では、両眼失明した3名の戦傷病者の人生をお話しました。戦盲をテーマとする2つのプログラムにより、失明した兵士たちの心情を深く読み解くことのできる機会となりました。
夏の集中講話会
夏の特別企画として、令和6年8月11日から15日まで(13日は休館)連続して講話会を実施しました。語り部は日ごとに入れ替わり、1日2名、合計8名の語り部による講話をおこないました。講話会では、語り部による講話に加え、日本が戦争へ至った経緯について歴史的出来事を分かりやすくまとめた映像を上映しました。当時の時代背景などを踏まえて、戦傷病者の労苦を身近に感じていただくための工夫をしています。