戦傷病者の方からの寄贈資料のうち、今年度ご寄贈頂きました資料を紹介します。
今回ご紹介するのは、岡山県にお住まいの戦傷病者の方から寄せられた短歌と軍靴です。この方は、軽巡洋艦「矢矧」に機銃射手として乗艦し、レイテ沖海戦で多くの戦友を失いました。また、ご自身も生還後の横須賀での公務中、両足を負傷し歩行に困難を抱えることになりました。今でも、戦友への鎮魂と戦争の悲惨さを語り継ぐために、短歌を詠んで新聞の文芸欄などに投稿し続けています。その作品の一部を紹介します。


激戦の 砲弾銃音 我が耳に
  今なを残る 戦禍の世代

レイテ沖 戦に果てし 友偲び
  深まる秋に ひとり香を焚く

 また、海軍時代の思い出の品として大事にしまってあった軍靴をご寄贈頂きました。
寄贈者の方は、この軍靴について次のような短歌を詠んでいます。


兵たりし 頃の軍靴 納屋にあり
  出しては見ても なを捨て難し



軍靴
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2019年