解散にともない、京都府傷痍軍人会より新旧の傷痍軍人会に関する資料をご寄贈頂きました。京都府傷痍軍人会は全国的組織である日本傷痍軍人会が発足する前、昭和26年10月に結成。他県の傷痍軍人会と共に日本傷痍軍人会(本部)結成に尽力。支部となったその後も長きにわたり、一貫して日本傷痍軍人会本部の運営に寄与し続けました。
この度、ご寄贈頂いた資料の中からこちらを紹介します。
昭和28年10月21日に京都・東本願寺議事堂にて開催された日本傷痍軍人会第2回全国大会の「感謝状」です。日本傷痍軍人会創立7年を迎えた昭和34年の11月10日の理事会に於いて、日本傷痍軍人会会長蒲穆(かば あつし)氏より京都府傷痍軍人会に授与されたものです。
蒲穆会長の最終階級は陸軍中将。日露戦争に従軍中、左足を受傷した経験があり、戦前は大日本傷痍軍人会の副会長として活躍。戦後、日本傷痍軍人会が結成された際、推されて会長に就任。この感謝状が授与された時には既に病魔に侵され、静養中でしたが、それでも会の運営に携わっていました。
当時の京都府傷痍軍人会会長は山科喜一氏。日本傷痍軍人会副会長と京都市傷痍軍人会会長も兼任していました。日傷の黎明期の功労者である山科氏は、かつて蒲氏が京都師団長を務めていた際、直属の部下だった事もありました。
「傷痍軍人の父」と呼ばれた蒲会長より贈られたこの感謝状は、解散する日まで京都府傷痍軍人会の事務局に掲げられ、会員を励まし続けました。
この感謝状以外にも段ボール数十箱分の資料を頂きました。他の傷痍軍人会よりご寄贈頂いた資料とあわせて、公開に向けて整理していきます。また、今後も精力的に資料収集を行っていきます。資料寄贈に関するお問い合わせはしょうけい館学芸課(03-3234-7821)まで。 (資料寄贈のお願い)
【小景(しょうけい)第12号】