2016年12月10日(土)、昭和館において、「戦中・戦後の労苦を伝える戦後世代の語り部育成事業」第三回講義を開催し、講師に「戦傷病者の救護・医療」について講義をしていただきました。
「戦傷病者について理解するには、その前提条件として軍の組織・衛生制度についての基礎的知識が必要」ということで、明治期の陸海軍の建軍から、終戦による解隊までの軍内での中央医療組織、病院、制度の変遷などの長い時代幅を、系統図や用語説明も交えて解説していただきました。
専門的に戦傷病者援護を前提としての軍組織を学ぶ機会がない中で、研修生にとっては貴重な機会となったことと思います。
理解が難しい分野であるからこそ、主体的に取り組めるように、質疑応答の時間を前回の講義と比べて長めにとり、多くの研修生が講師に質問し、活発な議論がなされました。
「軍医と衛生兵の違いは」、「病院ではなく、繃帯所というのは具体的に何をする場所か」、「戦傷病者の軍における援護について他国(諸外国)との比較は」など、基礎的な質問から、応用も交えた質問まで様々なものがありました。手応えを感じている研修生が多いように思いました。
今後も、研修生が主体的に取り組んでくれる事を職員一同、願ってやみません。