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館だより
 
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第128号 2016年4月22日号

■ 戦傷病者と食事

 

 現在開催中の企画展「戦傷病とは? 〜第2部 戦病〜」では、様々な戦病の紹介に加え、療養生活での食事についても一部展示しています。その展示の中に、大阪・岐阜陸軍病院に入院していたある二等兵が、日々の献立を書き記した日記などもあるのですが、今回は、さらに詳しく軍隊での食事が載っている図書とそのレシピをひとつご紹介します。
(以下の図書は、しょうけい館図書コーナーにてご覧いただけます。)

 

解説 小林 完太郎
1982年 講談社
『元祖男の料理 復刻「軍隊調理法」』

昭和12年陸軍省検閲済「軍隊調理法」の復刻版。
以下の料理は戦傷病者のために作られていたものです。

ふわふわ汁

材料(1人分)
豆腐:80g ネギ:75g 醤油:18ml
煮出し汁:300ml 味の素:少量 塩:少量
ひき肉:30g 片栗粉:10g


【準備】豆腐は水を絞ってすりつぶし、ネギはこまかく切る。
【調理】@豆腐とひき肉を混ぜ合わせ、これに少量の食塩および片栗粉を
      入れてよく練り合わせる。
     A鍋に煮出し汁を入れて煮立て、食塩、醤油、味の素で味を整える。
     B@で団子を作りAに入れ、浮き上がるまで煮る。
     Cその上から、豆腐を流し込み、さらにネギを入れ、ふたをして煮る。

戦傷病者の方々の体験記を読んでみると、食事に関する労苦をうかがい知ることもできます。病気のために食事制限があり、顎を損傷して固いものが食べられない、などといったことです。そして戦傷病者のために食事を作る家族にとっても悩みのひとつだったのかもしれません。